ウルセラで実験って意味あるの?

ウルセラで実験って意味あるの?

ウルセラやハイフを動画検索すると鶏肉や豚肉にウルセラを当てている動画を目にします。

これらは患者様にわかりやすく伝えるという意味では有用ですが、実は超音波の実験という面ではすこし雑な設定であると言わざるを得ません。

 

培養細胞に超音波を照射する実験を in vitro

動物に照射する実験を       in vivo

と呼ばれるのに対して

摘出された生体組織に超音波を照射する実験は ex vivo実験と呼ばれます。

ここで摘出組織と生体の違いを考えてみましょう。

1血流の考慮

摘出された生体組織において血流の影響を模擬することは困難です。

超音波吸収などにより生体の局所に発生した熱は、熱伝導と血流により遠くへ持ちされられます。ヒトサイズの動物において生体は1m㎥から1㎤スケールの生体組織が同じ体積の血液によって環流される時間の桁は1分―数分かかります。

よって1分以下の超音波照射においては血流の影響は考えなくてもよいということになります。

 

2熱伝導の考慮

多くの生体組織において、熱伝導率に対する体積当たりの比熱の大きさは、10s/㎟程度である。ウルセラのような周波数4MHz程度、F値1程度のHIFUのビーム径1㎜程度であるので、10秒以内の短時間のHIFUの照射であれば、熱伝導による温度分布の鈍化を心配する必要はないです。

 

摘出組織のキャビテーション

食肉を生産する屠殺は生体組織に残留する血液の少ない脱血死によって行われます。

そのような生体組織には結果として微量の気体成分が含まれることが多く、そのまま超音波を照射すると気体成分がキャビテーション核となって、あまりに容易にキャビテーションが起きてしまします。

ですので 厳密な実験では脱気した生理食塩水に浸してから照射することが求められます。

しかし 論文ではなく

患者さんに動画として見せる分には 普通の食肉でも構わないかもしれません。

contactご予約・お問い合わせ