Q-Switch Nd:YAG Laser のPulse duration
今回は前回のレーザー照射時間の続きとして少々難しい話をしましょう。
先ずはQ-Switch Nd:YAG Laserから始めましょう。
有名なConBio社製Q-Switch Nd:YAG Laserの1shotの照射時間…Pulse durationと言いますが、調整され状態の良いときでおよそ5nsecです。
この5nsecのPulse durationを出力の変更に伴わず一定に保てる機器は他には知りません。
なぜならば、多くのメーカーが製造するQ-Switch Nd:YAG LaserはFlash Lampの印加電圧を変化させることによって出力を変化させます。
高い出力、すなわち、Flash Lampの印加電圧が高いときはPulse durationはカタログに記載されている短い値となりますが、低い出力にした場合はFlash Lampの印加電圧も低下します。
この低い出力設定時にPulse durationが長くなってしまうのです。
これはFlash Lampの印加電圧を変化させる方式でレーザー出力を変化させる場合に出現するQ-Switch Laserの特性なのです。
しかしConBio社製のQ-Switch Nd:YAG LaserはFlash Lampの印加電圧は常に一定で、光学素子を用いる方法で出力を変化させるため低出力から高出力までPulse durationは一定です。
ConBioと同じ構造を用いればPulse durationを一定にすることは出来ますが、光学素子の増加などにより価格が上昇するため、採用しているメーカーは少ないと思います。
この傾向は他のQ-Switch Laserにも当てはまります。
例えばQ-Switch Ruby、Q-Switch Alexandliteなども同様です。
機器の最大出力はさておき、メーカーによって異なる特性があることを記しました。