ウルセラとダブロを比較した時 性能やリフトアップ効果 副作用 その違いとは
医師 エンジニアから見た ウルセラとダブロ 違いはあるのか
よく、他の開業されている美容外科の医師から、
「クリニックで導入するなら、ウルセラがいいのか、ダブロがいいのか、
それともウルトラフォーマのような他のHIFUでもいいのか。」
とよくアドバイスを求められます。
当院のスーパーハイフは他院には販売していないので、
他のメーカーのハイフの中での選択になります。
まず、専門的な立場から申し上げると、FDA(アメリカ食品医薬品局)の認可の
有無はマシーンの優位性には一切関係ありません。
ウルセラもダブロも自分で使用したことはありませんが、トランスデューサを
分解すればだいたいわかります。
どっちか買うなら、ダブロをお勧めしています。特別優秀とういうわけではないですが、
有名である程度ブランディングされているのが理由です。
まず、ウルセラの優位性は認められません。
では、美容医療に使うハイフマシーンウルセラとダブロは何が違うのでしょうか。
■ハイフの性能から見た ウルセラとダブロの違い
簡単に言うとほぼ同じです。
ただ中には、トランスデューサの照射が不安定な製品がありますが、これは論外です。
トランスデューサの照射が不安定、動きのコントロールが鈍いというのは、
2014年頃までは多くのメーカーでもありましたが、すでにクリアされています。
照射の出力が不安定なマシーンを使っているクリニックはすぐに交換してもらいましょう。
まず、機械の本体ですが、
ウルセラに比べて、ダブロかなり安いです。と言うより、ウルセラだけが、
ぶっちぎりで高いです。また、ランニングコスト、消耗品であるハンドピースもウルセラは高いです。
しかし、これはブランディングで高いだけで、機能には全く関係ありません。
■ウルセラとダブロのネット上で言われている 3つの違いについて検討してみます。
1.焦点の大きさの違い
これは理論上存在するはずがありません。
焦点の大きさを決める要素は超音波の波長です。焦点の大きさは大雑把に近似すると大体、
波長λ(ラムダ)の3倍です。
つまり3λです。
どこのメーカーのトランスデューサも周波数4Mhzで波長は約0.4mmの物を使っていますから
差は出ません。焦点の大きさは直径が1.2mmです。
唯一考えられるのは照射時間を長くしてによって、見かけ上の焦点を変えているくらいです。
これは、出力の問題なので、操作画面での出力を上げれば、照射時間は長くなり、焦点は大きくなります。
これは全てのHIFUで共通して搭載している機能です。
焦点の大きさに、圧電セラミックスにかける電圧が影響しないのが、ミソです。
つまり、電気経路の違いが焦点の大きさに影響しないのです。
照射時間だけで出力の強さを決定できるのです。
私が知っている限り、ほぼ全てのHIFUの焦点はおおよそ同じです。
2.イメージング機能の搭載
イメージング機能とは、いわゆるエコー機能ですね。
エコー機能はダブロに搭載されている物の方がはるかに優秀です。
ウルセラを開発した人は、アメリカのSONACARE MEDICALの前立腺治療用の
HIFUであるSONABLATEをよく研究されています。
このSONABLATE参考に作ったのは間違いありません。
また、随所にSONABLATE開発者のNARENDRA SANGHVIに対するリスペクトが感じられます。
その、最たる例がウルセラに搭載されているイメージング機能です。
SONABLATEのイメージング機能の特徴は超音波を照射するトランスデューサで戻ってきた
超音波を受け取るセンサーの役目も果たしていると言う点です。
これは、技術的にはすごいことなのですが、イメージング画像の質は非常に低いです。
ウルセラに搭載されているエコー機能も同じ作りです。
しかし、前立腺癌治療のハイフSONABLATEは同じ場所で4秒間照射します。
ウルセラはせいぜい0.1秒です。まともなイメージングができるはずがありません。
さらに、このエコーが使い捨てとか、金の無駄にしか思えません。
もちろんその分、患者さんの治療費に上乗せされるわけですが。
一方でダブロのエコーシステムはそれなりにちゃんとしています。
内部の軸のすぐ下に超音波を受け取るセンサーが別に取り付けられていますので、
きれいな電子スキャンを行うことができます。
しかし、私自身はこのエコー自体顔に照射するときに必要があるとはとても思えません。
3 一つのハンドピースで打てるショット数の違いとかハンドピースの中の水の量の違い
一個のトランスデューサで2400ラインしか照射できないから
精度の高い照射ができる。と言う説がありますが、大嘘です。
大体12000ショットくらいまでは劣化しないのが僕らの常識です。
あとハンドピースの中に入ってる水の量はウルセラよりも少ないから効果が弱いという
理論もあるみたいですが、水がいっぱい入るメリットは逆さまに打ってもちゃんと照射されるくらいです。
だけで、実際の治療で、ハンドピースを上に向けて照射することがないので、いっぱい入れないだけです。
この勘違いは、医者がハイフの効果を目視するために、ハンドピースを上に向けて、アクリル板に当てて
照射する時に、水が十分に入ってないために、ちゃんと照射されないから。
このような勘違いが生まれました。
目視でテストする時は斜めにしましょう。
こう言うこと書くと、私が、ウルセラに恨みでもあるのかと思うようですが、
一人のHIFUの研究者として、ウルセラを世に送り出した開発者を尊敬しています。
しかし、そのテクノロジーはすでに時代遅れです。
アップル社のIphoneが一番人気なのは毎年新しい製品を送り出しているからです。
7年前のIphone 3Gを一番一番と宣伝して、sumsungを誹謗しているからではありません。
しかし、ウルセラは10年近く前の技術のまま、進化していないのです。
それなのに、価格は高いままで、安い廉価品であるほかのHIFUを不当に
過小評価しているように感じます。
スーパーハイフのような2次元の次世代HIFUによってその地位はとって変わられるべきです。