ウルセラとダブロとウルトラフォーマーの違い 【痛み 焦点 副作用】

ウルセラとダブロとウルトラフォーマーの違い 【痛み 焦点 副作用】

ウルセラとダブロの照射するときの痛みについての違い

ダブロを導入しているクリニックの多くが

ダブロの方が痛くない。また焦点が大きいと言うような説明をしていると思います。

おそらくそう言う説明をメーカーなり、代理店に受けていると思います。

しかし、エンジニアの立場から見てこれはただの宣伝文句であり 理論的には正しくないと思います。

メーカー側というのは他社のものを真似して作るとき、たとえ同じようなものを作っても、

セールスのためには 違いを後付けするものです。

■焦点の大きさの違い

・スーパーハイフをアクリル板にあてた時の画像

上の写真は二つともスーパーハイフをアクリル板に当てた時の写真ですが、

見てわかる通り、焦点の大きさが違います。

これは照射密度により、1焦点あたりの大きさを変えるように、

ソフトウェアで演算してコントロールしているからです。

焦点の大きさは、超音波の照射時間によってコントロールできます。

上の二つの異なるモードの打ち方でいうと、右の密度の高い方がより優れています。

スーパーハイフを開発するにあたり、アメリカのウルセラや韓国のダブロを参考にしています。

では、ウルセラとダブロの違いとはなんでしょうか?

 

■ウルセラとダブロの焦点 痛み 効果の違い

インターネットを見るとダブロの方が焦点が大きく、ウルセラの方が焦点が小さいという記述を見かけます。

ウルセラと比較して、ダブロは焦点が大きいから痛くないという記載もあるし、

ウルトラフォーマーは焦点が小さいから痛くないという記載がある。

完全に矛盾してますよね。代理店の営業のセールストークを鵜呑みにするからです。

また、ダブロは熱が広く分散して広範囲に作用するのに対して、ウルセラは一点での熱の集中が強く、作用が強いため、持続時間が長いという記述を見かけます。

これは、理論的に正しいでしょうか?

 

私は正しくないと思います。

ウルセラもダブロもウルトラフォーマーもほとんどのHIFUは

F値1 直径19−20mm 周波数4Mhz のトランスデューサーを使用していますから、

波長は0.4mmで 焦点の大きさは近似すると波長の3倍ほどですから1.2mmであり差は出ないはずです。

同じ周波数で同じような構造をしていれば、照射時間でしか焦点の大きさをコントロールできないんです。

そうすると、焦点の大きいダブロの方が一回の照射時間が長いということになります。

これは実際に計測して見ないと確かなことは言えませんが、理論上、照射時間が長い方がもちろん作用は強いです。

ダブロの方が広範囲に熱が広がるというのは、もし焦点が大きいという仮定が正しいとすれば正しいですが、

その仮定が正しいとすれば、作用はダブロの方が強いということになります。

ダブロだろうと、ウルセラだろうと組織で熱変性が起きてそれが回復するという同じ過程を経るかぎり、持続時間は同じです。

出力(照射時間)に依存することはあっても、ウルセラだから持続期間が長いというのは、全く理論的ではありません。

ダブロの方が焦点が大きいという話も眉唾ながら、ダブロの方が痛くないというのは、ただ出力を下げて、照射時間が短いモードでやっているからと推測しています。

つまり、焦点が大きいことと痛みが弱いというのは理論的には相反するのです。

照射時間は、ソフトウェアでコントロールできます、焦点の大きさなんてダブロもウルセラも同じように調節可能なんです。

差なんてないんです。

 

 

 

次にウルセラとダブロに痛みに関してです。

ダブロの方が痛くないということですが、

これはなかなか考えさせられます。

もちろん出力を弱くすれば、痛くないのは当然です。

問題は同じ出力、同じ効果を出すのに、ウルセラとダブロで痛みに違いが有るかどうかです。

まずは厳密な理論から考えましょう。

組織が感じるチクチクとした痛みは超音波の波が持つ運動量が皮下のタンパク質に伝わるときに生じる

撃力みたいなものです。

つまり、痛みは運動量が大きければ大きいほど痛いはずです。ただしこの相関関係は非線形なはずです。(つまり比例はしない)

ではこの運動量は何によって決まるかというと、それはおなじようなトランスデューサーを使っているなら

音圧の大きさの2乗に比例します。

HIFUは音圧が高いほど、短い照射時間で目標組織を目標温度まで照射することができます。

しかし、その分、波の運動量は大きくなりますから、痛みは増すはずです。

 

もし、ダブロが照射時間を短くするために音圧を高く設定していたら、

同じ出力でもウルセラより痛いし、

音圧を低く設定していれば、

照射時間はゆっくりだが 痛みは少ないはず

という推測が成り立ちます。

ところが、照射時間が長くなった分痛みは変わらないではないかという推測も成り立ちます。

 

痛みの感じ方というのは非線形ですから、これは実験して見ないとわからないはずなんです。

しかし、メーカーと共同開発した私の経験からすると、メーカーは絶対そこまで考えていないということです。

痛みの感じ方というのは個人差が非常に大きく、数値化しにくいのです。

私もそこまで実験をしたことがないのでなんとも言えないですが、現実的にHIFUで使われる電圧ならば、

あまり差が出ないのではないかと考えています。

つまり、ダブロの方が痛くないというのは単純に弱く出力しているから私は考えています。

出力設定をあげれば同じように痛いはずです。

つまり、結論としてはウルセラとダブロに差なんてないんです。

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