超音波の伝わり方 焦点よりもまずここを勉強しましょう。
市販されているハイフ(HIFU)の多くは周波数が4MHzです。
4MHzの超音波は吸収が悪く、焦点よりもさらに深部に熱が届いてしまいます。
その痛みを、焦点が絞れてる、効果が強いという風に表現するメーカー、代理店、医師が多いですが、
それは間違っています。
超音波の伝わり方と減衰
超音波には縦波と横波が存在している。
横波は特殊な条件下以外では柔らかい組織には伝わらないのです。
よってまず大事なのは縦波だと考えればよいのです。
超音波が生体内を伝っていくとき減衰します。
周波数が高いほど減衰率が高くなります。
簡単な話、減衰係数が高い組織程超音波を吸収して熱されやすいということです。
周波数が高い=波長が短い=すぐに吸収される=熱量が発生しやすい
超音波は均質な媒体中では直進しますが、音速が異なる物体との境界面で反射します。
(厳密には音速ではなく比音響インピーダンス)
この現象は境界反射と呼ばれます。
この表からわかることは骨がほかの組織に比べて非常に減衰係数が高いので超音波を吸収して熱くなりやすい、軟部組織と骨の接するところで境界反射が起きるという2点です。
実際超音波が組織内を伝搬するとき、軟部組織を通って骨に伝わるとき、波のエネルギーのおよそ半分は反射し、残りの 半分は骨に入る。皮質骨に入射するエネルギーは、縦波、せん断波または表面波として広がるがすべて急速に吸収され、局所的に高温になる。この骨の加熱は、熱の伝導によって周囲の軟部組織を2次的に加熱します。