サーマクールはなぜ効果が弱いのか RF波の欠点
ウルセラが登場するまでは、サーマクールこそが切らないフェイスリフトの代名詞だったのに、
いつのまにか、引き締めの効果しかにように宣伝させるようになってしましました。
では、海外ではどうでしょうか?
海外では、サーマクール完全に時代遅れの治療という認識です。
ウルセラの後追いのHIFUはたくさん出ていますが、サーマクールの後追いは韓国製のイントラジェンくらいです。
RF治療器は技術は成熟しており、どこのメーカーも作れるのに、なぜ作らないのか。
答えは単純です、効果がHIFUに比べて弱いからです。
メーカーからすると作っても売れないんです。
サーマクールはどういう原理でなぜ効果が弱いのでしょうか?
まず、サーマクールはガン治療の医療機器ハイパーサーミアの技術の流用でRF波を利用しています。
その原理は高周波誘電加熱と呼ばれるものです。
サーマクールは良く皮下3mmがターゲットと言われますが、これは厳密にはそうではなく、
皮膚直下の皮下脂肪がターゲットなんです。
サーマクールおける高周波誘電加温の原理
サーマクールで使用される6Mhzの高周波です。
サーマクールの治療を行う際は背中に大きい電極板を張る必要があります。その状態でハンドピースを当てると、
顔と背中の間で高周波が流れるのです。
つまり、誘電体を構成する分子の配向分極の遅れで生じる誘電損失により加温されるという原理です。
しかし、生体は必ずしも誘電体とはいえず、導電体の性質も備えています。
なので、装置の電極にボーラスと呼ばれる絶縁体層を取り付けて、誘電加温が生じるような仕組みになっています。
それでも、6MHzの高周波の生体内の波長は約4mあり、身体よりもかなり大きいので、高周波は電流のように生体内を流れ、生体組織の抵抗によりジュール熱を発熱します。そのため、サーマクールでは、誘電加温とジュール熱による加温の2種類が組み合わされていると考えられます。
エッジ効果により電極の周辺部の電界が強くなり、そこに高周波電流が集中して発熱が大きくなります。
電極サイズが小さいと、そこに高周波電流が集中します。その特性を利用して、小さな電極と大きな電極を組み合わせることで、小さな電極側をより強く加温しています。
だから、サーマクールは背中に大きな電極板を貼って、顔に小さなハンドピースを当てるのです。
サーマクールの欠点
それは、火傷が起きやすい事と痛みが出やすい事です。
なぜなら、 高周波電流は皮下脂肪や筋肉を突き抜けるように流れるため、抵抗の大きな脂肪層の発熱が大きくなります。
つまり、皮膚の直下の脂肪にメインで作用するので、熱伝導により皮膚も火傷を起こしやすいのです。
また、骨があると、高周波電流はそこを避けるように流れるため、電流が集中して発熱量が大きくなる部分が発生します。
だから、サーマクールは骨に近いところが痛いのです。
山本ビニターより画像引用