ピコ出力の不安定さ必要な工夫
ピコレーザーの出力の不安定さはスポットでシミ治療していく上では、
かなりの足かせになっていると思います。
多くのクリニックで、ピコレーザーを持っているにもかかわらず、
スポットのシミ治療をあえて、Qスイッチルビーレーザーでされているところも多いかと思います。
それは数パーセントレベルの出力の変動が、治療成績に影響を与えるからです。
最近、私はずっとその出力の不安定さの原因を分析しながら、
どうすれば、安定したピコレーザーを使用したシミ治療ができるか、
模索しています。
室温、レンズの汚れ、ミラーのわずかな損傷で、出力が変動することは以前から知られていました。
さらにもう一つ変数があります。
まず、おそらくほとんどのクリニック、代理店、日本支社の営業マンが知らないことだと思うのですが、
ピコレーザーはスポット径の大きさによって、
同じJ/㎠でも実測されるエネルギーに誤差があります。
つまり、直径10ミリと直径8ミリで照射する場合、
同じ1J/㎠で設定したとしても、10ミリの方が実際の
単位面積当たりの出力は強いのです。
これは、理論値と実測値のわずかな乖離ですが、
この誤差は、実際の治療では十分なの影響を与える誤差です。
理由を説明します。
単位面積当たりの出力が同じでも、
面積が大きい10ミリの方が、レーザー発振器にかかる電圧は高いです。
レーザー発振器は電圧が高い方が効率が上がるので、理論値に近い
出力が出ます。
一方8ミリだと、電圧が少し低いため、効率が下がり、理論値よりも
出力が弱くなります。
10ミリと8ミリですら、無視できないほどの、誤差が出るわけですから、
5ミリとかのように、スポットを絞ると、より大きな誤差になります。
つまり、簡単にいうと、スポット径を大きくして、レーザーにある程度負荷をかけた方が、
実力を発揮するのです。
やはり、ピコレーザーというのは、そういう意味でも、使いこなすのが難しいマシーンだといえます。
ですから、必要なのは、毎回の治療において、まず熱感シートで出力を計測して、
調整することが必要とされます。
例えば、当院のように、ピコレーザーを1日中稼働させてるクリニックでは、
夜になると、少し、出力が下がります。
だいたい5%くらいです。
これで、さらにスポット径の誤差が加わると10パーセント以上出力が
弱くなってることになります。
これでは、ピコレーザーの真価を発揮することはできません。
ですから、毎回測定が必要なのです!!
もうほんま、こだわりだすとキリがないわ。