ハイフの作用 生体タンパク質から見て

ハイフの作用 生体タンパク質から見て

HIFUとタンパク質

ウルセラやダブロ そして当院のスーパーハイフなどの集束超音波治療は

超音波の熱作用の特性を利用したものである。

その原理をまず見ていきましょう。

皮膚や皮下組織を構成するたんぱく質を変性させるには分子の水素結合を切断する必要があるが、超音波のアレルギーは0.0001eVであり、水素結合のエネルギーレベルである

0.001eVに比べて10分の1ほどしかない。

したがって、超音波によって組織のタンパク質を変性させるためには、エネルギーを蓄積させて熱エネルギーに変換させる必要がある。つまり分子レベルでは非常に弱い超音波のエネルギーを、照射時間を長くすることでエネルギーを蓄積させるのです。そのエネルギーが熱エネルギーへと変換されてタンパク質に熱変性を起こしているのです。

グラフのように超音波検査と超音波治療の差というのはメインは照射時間にあります。照射時間を長くすることで熱を収束させるのが超音波治療です。

可視光線よりも波長の長い紫外線や放射線は1分子当たりのエネルギーが高く、熱量に関係なくタンパク質を変性させることができます。

超音波特有の性質でタンパク質を変性させているわけではなく、超音波発生器は蓄熱させるための装置であり、蓄熱の仕方に超音波の特性があるのです。

ラジオ波であるRF波も同様であり、タンパク質から見ると蓄熱されて変性を起こすということが起きているという点では同じであり、ただ蓄熱の仕方に超音波やRF波の特性が出るということです。

超音波エネルギーは、超音波吸収によって熱エネルギーに変換されるが、そのメカニズムは主に生体のずり粘性によるものです。

図のように縦波であってもずり変形を伴って伝搬されます。これに注目して20世紀末から集束超音波=HIFUの研究が進められてきました。

参考までにサーマクールで使われるRF波は5桁以上低い つまり10万倍足りないということ。

サーマクールに代表されるようなRFは治療装置も同じ原理でRFそのものの分子が持つエネルギーはあまりにも小さくRF波そのものによりタンパクに変性起こすことは不可能であり、熱を蓄積するための装置に過ぎないのです。

一方タンパク組織から見れば、同じ熱を蓄積させるものとしてRF波も超音波も違いはないはずです。

なので、ウルセラにサーマクールを組み合わせることで、異なったメカニズムによる治療が相乗効果を生むというのは原理的には正しくなく、サーマクールのRF波によって熱が蓄積される層を狙って超音波を収束させれば同じ効果が得られるはずです。

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