【医療脱毛】蓄熱式と熱破壊式の違いは?~脱毛レーザー開発者が仕組みから図解~
どうも東京美容医療クリニック院長のレーザーキングこと高尚威です。
今日は脱毛について、熱破壊式のレーザーと蓄熱式のレーザーの違いを説明していきます。
ネットでもよく話題にあがっていて、
熱破壊一択!蓄熱式は絶対ダメ!
なんて言われているのも見かけますが…
正直この2つの違いというのは、ほとんどの人はあんまりそこまで理解してないと思うので、脱毛レーザーを開発しているこの私が、わかりやすく説明してみようと思います。
熱破壊式と蓄熱式っていうのは、簡単に言うと、フラッシュランプ型のレーザーとダイオードレーザーの比較になります。
熱破壊式脱毛→フラッシュランプ型レーザー
蓄熱式脱毛→ダイオードレーザー
ということです。
それでは1つずつみていきましょう。
動画でも解説しているので、そちらもご覧ください。
https://www.youtube.com/watch?v=JmeNz1cDLRk
熱破壊式レーザー(フラッシュランプ型レーザー)
フラッシュランプとは。
はい、これがフラッシュランプです。
そしてこれはコンデンサ。電源です。
コンデンサで貯めた電流をフラッシュランプに流すことによって、一気に強く光ります。
次にこれがロッド。
ロッドにはヤグロッドやアレキサンドライトのロッドなどがありますが、さっきの強い光をこのロッドに入れると、その波長のレーザーの光が発光します。
例えば、
ヤグロッド→1064nmの光を発光
アレキのロッド→755nmの光を発光
という感じです。
具体的にどうやって発光させているかと言うと、
レーザーの共振器の中身はこういう風になっていて、基本的に2つのフラッシュランプで1つのロッドを囲むようにして一気に光らせて、真ん中から光を出すっていうような仕組みになっています。
これの特徴としては、1秒に1~2発めちゃくちゃ強い光を出せるんですね。
逆に言うと、強いけれども、1秒間に1一発ないし2発しか光らせることができない。
もっと具体的に言うと、1秒間に強い光が出る発光時間は5msなんですね。これを2つに割って2.5msずつにすれば、2発出すことができるという仕組みになります。
フラッシュランプを使うレーザーっていうのは何種類かあって
・アレキサンドライトレーザー
・ヤグレーザー
・Qスイッチレーザー
・ピコレーザー
・IPL(レーザーを出さずに光だけを出す)
こんな感じです。
蓄熱式レーザー(ダイオードレーザー)
フラッシュランプ型に対してダイオードっていうのは、連続波を出すレーザーです。
これがダイオード。
連続で光らせることができる。電流を流すことでビーッて連続してレーザーが出ます。
そして非常に安定している。
単純に、直流電流を流すだけでレーザーが出ます。
ダイオードレーザーの特徴として、実は熱破壊式と蓄熱式両方あるんですね。
熱破壊式で有名なのが、ベクタスとライトシェア。
蓄熱式で有名なのがメディオスターとソプラノですね。
熱破壊と蓄熱、両モードをできるのが、うちのヴィーナスワンとソプラノアイスチタニウム。
⇩自社開発した脱毛レーザー・ヴィーナスワン
熱破壊式と蓄熱式、両方できるってのはどういうことかっていうと、ダイオードから出るレーザーがパワーが強いと、熱破壊を起こせるということです。
これは新しいダイオード、強いダイオードじゃないとできないので、割と新しめのレーザーじゃないとできません。
フラッシュランプとダイオードレーザーの特性と違い
まずフラッシュランプの特徴としてはフラッシュランプは一瞬の強い光で長くは光りません。
5msしか光らないけど、その代わりパワーがめちゃくちゃ高い。ハイパワーのレーザーを出すことができます。
ですが、残念ながらどれだけ技術が進化しても、パルス幅(照射時間)、つまり光る時間を長くすることは絶対にできないんですよ。
これはフラッシュランプの特性なので、物理法則が変わらない限りそれは絶対にあり得ないです。
それに対してダイオードは連続波を出すことができるけど、その代わりパワーが弱いという特徴があります。
照射時間をいくらでも伸ばせるし、フレキシブルに変えることができます。それがこのフラッシュランプのレーザーとの違いです。
ダイオードレーザーのパワーが弱いというデメリット。実はこれは技術が進化していけばどんどんできるようになっていきます。パワーが年々上がってきています。
特性の違いを表にするとこんな感じ。
簡単やろ?
蓄熱式脱毛レーザーのはじまり
ダイオードレーザーの、このずっとパワーが弱かったのを、アルマ社のえらいエンジニアさんがこれを「SHR」っていうのを発見したんですね。
SHRっていうのは「Super Hair Remove」っていうっていう方法で、パワーが弱くても、熱を蓄熱していけば脱毛されるってことに気づいたんですね。
これが蓄熱式レーザーの始まりです。アルマ社が開発したので、オリジナル蓄熱式のオリジナルはソプラノです。
ダイオードは年々進化していて、年々ピークパワーが上がっていったんですね。
それでいて、かつ照射時間(パルス幅)も調整できる。
だから、ダイオードはどんどん使いやすくなって、どんどん効果がよくなっています。
さらにダイオードの大きな特徴は1本1本いろんな波長にできるんですね。
波長の種類で代表的なのが755/808/940/1064(nm)の波長。
1本1本に対して色んな波長を組み合わせることで、理論上いろんな治療ができるようになる、ということになります。
ソプラノアイスチタニウムは一本一本いろんな波長を入れている、というのが特徴です。どんな比率で組み合わせているかは勿論分からないですが。
で、これが本当に意味があるのかっていう問題なわけですよ。
何でそう思うかっていうと、これはかなり切り込んだ話になるんですけど、まず1064nmっていうのは、これはピークパワーがかなり高くないとあまり意味がない。
ダイオードの今のパワーの1064nmだと、どれだけ単体でやる意味があるのかというのがちょっと怪しい。
ほぼほぼ多くのメーカーが808nm単体のダイオードで脱毛してて、これはかなり明らかに効果がいいんですよ。
ダイオードの色んな波長を混ぜることが臨床的にどれぐらい意味があるのかはかなりハテナです。
少なくともうちのヴィーナスワンで1064nmだけのハンドピースを作ったことがあるんですけれども、やっぱりちょっとパワーの弱さは否めないですね。
808nmに比べたらだいぶ効果が弱いので、それをさらに少ない本数を何本かこの中に組み込むことが、どんだけ効果あるかはかなり怪しいです。
なのでオススメは808nm単体のダイオードレーザー。
これが今のところ一番いいと思い ます。
フラッシュランプの熱破壊とダイオードの熱破壊の違いについて
最後にですね、熱破壊式の中でも、フラッシュランプを使った熱破壊とダイオードの熱破壊は同じなのか違うのか?どう違うのか?について説明します。
ここはね、かなり難しいと思います。内容的にも。
フラッシュランプは強く発光させることができるんですね。ピークパワーが高い。
一方ダイオードの熱破壊式っていうのはパワーが弱いんですよね。
その代わりパルス幅が長い。
なのでこの2つを比べると、それぞれどういう特徴があるかというと、
フラッシュランプは痛い
ダイオードは痛くない
じゃあ痛くないダイオードの方がいいのかっていうと、必ずしもそうでもないんですよ。
これが凄い難しいところで、ほとんどの場合においてはダイオードの方がいいんですよ。
だけどダイオードのピークパワーが低いデメリットが1つだけあって、深く届かないんですよ。
深く届かないことで差が出てくるパーツ。それはまさしく男性のヒゲなんですね。もしくはVIO。
こういうところでダイオードの熱破壊っていうのはちょっと弱い。
ただ最新のダイオードだとどんどんこのピークパワーが上がってきているので、その場合、ダイオードの熱破壊でもある程度ヒゲとかも抜けるようになってきている。VIOぐらいだと新しいダイオードレーザーだと、まず問題なく抜けます。
けれど古い熱破壊型のダイオードレーザーではヒゲとかVIOとかはあんまり抜けない。
っていうのは、ピークパワーが弱いから。 深く届かないから抜けない。
もうここまでくるとこれは波長の問題じゃなく、ピークパワーの問題で届く届かないが決まります。
結論
なので、じゃあどっちの方がいいねんってなるとすごい迷うんですけれども、ヒゲを脱毛したいんだったらフラッシュランプの脱毛レーザーなら、これはもうヤグ一択です。アレキは波長が届かない。
ダイオードなら、波長は足りてるんだけれどピークパワーが弱いやつだと届かない。なので深く届くピークパワーの強いダイオードを選ばないとヒゲは脱毛できない。
うちのヴィーナスワンみたいにね。
まあ、こんな感じで仕組みの部分から蓄熱式と熱破壊式のレーザーの違いについて説明しましたが、正直難しくてわからない、なんて方もいると思います。
そんな方には、まずは1回うちのヴィーナスワンで脱毛してみてください。
何十万のコース契約なんて必要なくて、単発で都度払いがあるので、そちらをどうぞ(コースもあるけど)。
1回やってみて、抜けたらもう1回来ればいいし、抜けないと思ったらもう来ないだけでいいねん。
⇩自社開発した脱毛レーザー・ヴィーナスワン
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