ウルセラはここから生まれた HIFUの歴史

ウルセラはここから生まれた HIFUの歴史

日本で一番美容医療のHIFUに詳しいと自負していますが、今日はHIFUの歴史について考えて見ましょう。

美容医療でウルセラやダブロが出現したのは21世紀に入ってからですが、HIFU=集束超音波治療の歴史は、実は長いのです。

まず、1942年にLynnらは、HIFUにより周辺組織を損傷することなくウシの肝臓内に、作用させることに成功しています。

1950年代に入り、Fry兄弟らは、精密なHIFUを開発し、ネコの脳に正確に限局した凝固壊死領域を形成できることを確認したのち、脳障害を治療する最初の臨床応用を行っています。

ここからHIFUの治療は加速していきます。

そして20世紀末に、強力な収束超音波により、患部を局所的に瞬時に加熱して、タンパク質を変性凝固させる超音波加熱凝固療法が、米国インディアナ大学での半世紀にわたる研究の成果を生かし、米国Focus Surgery社(現タカイ医科工業傘下)により実用化されました。
Focus Surgery社(現SONACARE)の創始者Sanghviらは、焦点距離・外径ともに30mmの小型トランスデューサを用いて直腸壁を介して集束超音波を照射し、尿道周囲の前立腺組織を加熱凝固する装置を開発しました。

このHIFUの名前はSonablateと呼ばれました。

このFナンバー1のトランスデューサーを用いたハイフは現在のあらゆる美容医療用のHIFUの原型となるものであり。

全てはここから始まったといっても過言ではありません。


HIFUの父
Sanghvi博士

開発された臨床応用機器は、現在、前立腺肥大症(良性)を治療する手段の一つとして用いられています。

Sonablate

そしてこれらの技術が21世紀に入って

ウルセラの誕生へとつながるのですが、

このSonablateはなぜ美容用HIFUの祖と呼ばれるのか

その特徴を見てみましょう。

1 周波数が4MHz

この周波数選択がそのまま美容医療にも使われています。

しかし理論的には美容医療で使う場合は焦点距離が短いので、美容で使う場合はより高い周波数を選択すべきでした。

2 F値1のトランスデューサ

精度の高い焦点への超音波の収束を得るためには、小さいF値を選択する必要があるが、

ほぼ全てのHIFUはsonablateと同じF値1をそのまま使っている。

(これはトランスデューサの形状を表す比率みたいなものだと考えてください。)

3 一つのトランスデューサで超音波の照射とイメージングのセンサーを兼ねている。

この技術はなかなか面白いです、ウルセラはもろにこれを真似しています。

しかし、美容医療にとっては、一番お金がかかって、いらない機能でもあります。

4 循環冷却水システム

火傷を防止するのに、冷却水の循環システムを搭載しており、直腸を冷却しながら照射している。

しかも、キャビテーションの生成を防ぐために、

脱気水を使用している。このシステムは現在の多くのHIFUでは省略されていますが、

(理由は美容の場合、照射時間が短いからです。)

私自身、美容医療用でも冷却循環水によって表面を冷やした方が良いという時期がありましたが、

今は考え方を変えて、そのようなHIFUは作らないことにしました。

 

ウルセラを開発したエンジニアは元 SONACAREの社員なんではないかと思うほどです。

ウルセラはSonablateの特徴を見事なまでに真似をしています。

トランスデューサーの形状、 周波数、 エコー機能

冷却水以外全てそのまま流用しているのです。

HIFUの父Sanghvi博士もまさか、自分が開発したHIFUが

美容医療でここまで発展することになろうとは思っていなかったでしょう。

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