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Q-Switch Nd:YAG Laser の熱レンズ効果による照射径の変化

今回はレーザーの熱レンズ効果について話します。

先ず、熱レンズ効果とは一体どのような現象なのかを説明しましょう。

熱レンズ効果とは…照射された光が物体に吸収されると、光吸収の起きた部分とその周辺部分の密度および屈折率が変化する。つまり、レーザー光のように強度が大きい光がYAGロッドに照射すると、YAGロッドの中では、熱のたまりやすい中心部と熱が放射される外側では異なった温度分布が発生し、レーザー光が通過する部分の屈折率が周辺部分の屈折率よりも大きく変化するため、レンズ作用を起こしてしまうことです。

上図では丁度、両凸レンズのような温度分布が発生している様子を表しており、これにより本来は平行に入射されたレーザー光が平行に出射されなくてはならないレーザー光が遠方に焦点を持つようになります。これを熱レンズと呼んでおり、レーザー光を安定して発振するための不安定要素となっています。しかも熱レンズ効果はレーザーの繰り返し周波数により変化してしまいます。

上図のYAGロッドは通常冷却水の中にあり、常に適切な冷却をされているにも関わらず、高い繰り返し周波数(例えば10Hz)などを使用した時に顕著に発生します。

この熱レンズ効果は、多関節アームを用いた機器でおいて、ハンドピース先端の照射径に直接影響を与えるため円形の単位面積当たりの照射密度(J/㎠)に誤差を生じることになります。

現在のレーザーメーカーでは、この熱レンズ効果による照射径の変化を考慮して、レーザー光路に一定以上の繰り返し周波数時には光学レンズが自動挿入されすシステムを用いています。
またその他の方法として、常に10HzでFlash Lampを発光させ、熱レンズ効果を発生させた状態で使用する機器もあります。
例えば、Readyを押すと常にFlash Lampが10Hzで発光する機器などがそれにあたります。

結論:ロッド型増幅器の場合、レーザー媒質内に半径方向の温度勾配が生じると、熱レンズ効果が発生し、ビーム品質に影響を与える。レーザー装置設計時には、この熱レンズ効果をあらかじめ考慮した設計が必要である。

以上、熱レンズ効果について簡単に説明しました。

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