レーザーの照射(光が出ている)時間の話…今話題のピコレーザー

今回はレーザー装置の照射時間(光が出ている時間)について説明します。

IPLの光が出ている時間は…およそ1/100(秒)~1/10,000(秒)といった短い時間です。

このとても短い時間はレーザー装置としては短くないのです。

脱毛に使用されるダイオードレーザーやアレキサンドライトレーザーは1/1,000(秒)以上なのですが、レーザーの世界ではこれをロングパルスレーザーと言います。

ロング?パルス! 1/1,000(秒)が?
これって普通の人には違和感がありますよね。

1/1,000(秒)が短いのか長いのか?概念がそもそも異なるからなのです。

下の時間表記はそれぞれの時間で光が進める距離を示しました。

1sec(セカンド)=1秒…光は1秒間で地球を7.5周の距離を進みます。
光が300,000km進む時間

1msec(ミリセカンド)=1/1,000秒(千分の一秒)⇐ロングパルスレーザー
光が300km進む時間

1μsec(マイクロセカンド)=1/1,000,000秒(百万分の一秒)⇐ノーマルパルスレーザー
光が300m進む時間

1nsec(ナノセカンド)=1/1,000,000,000秒(10億分の一秒)⇐Qスイッチレーザー
光が30cm進む時間

1psec(ピコセカンド)=1/1,000,000,000,000秒(1兆分の一秒)⇐ピコレーザー
光が0.3mm進む時間

ところで、今の美容医療におけるトレンドは…ピコレーザーです。
想像できないくらいに短い時間ですが、ピコレーザー装置から光が出ている時間はおよそ500psec~1,000psecです。
勿論1,000psecよりも短い500psecにする方が製造も困難で調整も難しい装置です。
そしてとても高価な機械になります。

現在の美容医療用レーザー装置はここまでテクノロジーが進んだということです。

ピコレーザーは美容医療用レーザー装置として米国で初めてリリースされた後、世界各国で同様の能力を持ったピコレーザー装置が開発され続けています。
しかし、未だに高価です。
この機器が高価であるゆえに治療も高価になるといった悪循環が起きています。
この高価な装置の価格を下げることが必要なのです。
メーカーや販売店は利益と販売後のメンテナンスにかかる費用をあらかじめ得る必要もあるためなかなか価格は下がりません。

また、このピコレーザーはメンテナンスの困難さに定評があります。
簡単に言えば、レーザー装置は全て光軸調整や光学部品のクリーニング、消耗品の交換といった継続的なメンテナンス作業により性能が維持できるのですが、ピコレーザーはひときわ光軸調整といった作業が難しいのです。

とはいうものの、的確なメンテナンスをすることで性能が維持できれば、これまでのレーザーよりも効果的な治療が可能になります。

光と時間を調整する…エンジニアの醍醐味といったお話でした。