医療用ハイフ(HIFU)皮膚やSMAS筋膜への照射

医療用ハイフ(HIFU)皮膚やSMAS筋膜への照射

クリニックで医療用のハイフ(HIFU)はどう作用するのでしょうか?

ウルセラやダブロ、そして当院のスーパーハイフなどのHIFU=集束超音波治療は、超音波の熱作用の特性を利用したものです。

HIFUがどのように筋膜に作用するのかその原理を解説します。

 

まず、皮膚も筋膜もタンパク質です。HIFUは超音波を照射する機械です。

ここからはすこーし難しいお話です。

皮膚や皮下組織を構成するタンパク質を変性させるには、分子の水素結合を切断する必要があります。

超音波の分子のエネルギーは10-4eVであり、水素結合のエネルギーレベルである10-3eVに比べて1桁以上低いです。

つまり、超音波はエネルギーが弱くて、超音波そのもの作用によって生体に変化を与えることはできないのです。

これは、超音波を組織にいくら当てても、熱くならない限り、何も影響も作用起きないということです。

したがって、超音波によって人の組織に何か作用させるためには、

エネルギーを溜め込んで熱エネルギーに変換させる必要があります。

分子レベルでは非常に弱い超音波のエネルギーを、照射時間を長くすることでエネルギーを蓄積させるのです。

超音波によってこんがり組織を焼くようなイメージになります。

次にもっと詳しく見て見ましょう。

 

超音波の組織に及ぼす影響を考えて見ましょう。

超音波は治療と診断(心臓や肝臓のエコー)の両方で使用されます。

その違いはなんでしょうか?

答えは照射時間にあります。

先ほどの説明のように、超音波の分子エネルギーというのは非常に弱いので、

暑くなるまで長時間に照射しなければ、組織に影響は起きないのです。

グラフのように超音波検査と超音波治療の差というのはメインは照射時間にあります。照射時間を長くすることで熱を収束させるのが超音波治療です。

これはレーザーとは根本的に原理が違います。

可視光線よりも波長の長い紫外線や放射線は、1分子当たりのエネルギーが高く、熱量に関係なくタンパク質を変性させることができます。

しかし、超音波は違います、短時間当てても、熱くならなければ、タンパク質に影響及ぼせないんです。

要はただ、時間かけて熱してる加熱装置です。
それはRF波も同様であり、タンパク質から見ると、焼かれてタンパク質変性を起こすという点では同じである。

さて、超音波のエネルギーは筋膜の熱エネルギーへと変わりますが、これはどのように起きるのでしょうか。

大前提として、エネルギー保存則が成り立ちますから、超音波のエネルギーは失われたぶんだけ、熱エネルギーへと

変換します。

超音波エネルギーは、超音波吸収によって熱エネルギーに変わりますが

その原理は生体のずり粘性によるものです。

 

図のように縦波であってもずり変形を伴って伝搬されます。

これに注目して20世紀末から集束超音波=HIFUの研究が進められてきました。

収束超音波という名前がことから想像できるのですが、つまりHIFUというのは超音波の

エネルギーを一箇所に集中させることで強める装置なのです。

どこにエネルギーを集めるかのコントロールがしやすいのです。

 

 

参考までにサーマクールで使われるRF波は水素結合のエネルギーよりも5桁以上低いです。つまり、10万倍足りないということです。
サーマクールに代表されるようなRFは、治療装置も同じ原理で、RFそのものの分子が持つエネルギーはあまりにも小さく、RF波そのものによりタンパクに変性起こすことは不可能であり、熱を蓄積するための装置に過ぎないのです。
一方、タンパク組織から見れば、同じ熱を蓄積させるものとしてRF波も超音波も違いはないはずです。
そのため、ウルセラにサーマクールを組み合わせることで、異なったメカニズムによる治療が相乗効果を生むというのは原理的には正しくなく、サーマクールのRF波によって熱が蓄積される層を狙って超音波を収束させれば、同じ効果が得られるはずです。

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